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江戸庶民に学ぶ「温泉番付」から肩こりを治す!【関東編】

2017年7月3日

日本人の4人に1人が苦しむ「肩こり」!
現代の日本人はスマホの普及により、さらに肩こりの方が急増しています。

そんな現代病の「肩こり」を江戸時代に発行された温泉番付と泉質を基に、江戸時代の先人×ENYSiトラベル 研究員が厳選した4つの温泉宿をご紹介します!

目次

  • ・江戸時代に作られた温泉番付とは?
  • ・肩こり改善に着目すべきは2つの「泉質」
  • ・「単純温泉」が湧く!関脇「野州 那須の湯」の歴史
  • ・なぜ単純温泉が肩こりに効くのか
  • ・「塩化物泉」が湧く!前頭「豆州 湯河原の湯」の歴史
  • ・なぜ塩化物泉が肩こりに効くのか
  • ・肩こりに効く現代の宿

江戸時代に作られた温泉番付とは?

江戸時代になる前の温泉利用者は武士や僧侶などが中心でしたが、江戸時代に入ってからは多くの一般庶民も湯治願いを出して3週間ほど湯治していたようです。
その中で、町民文化の流れに伴い、町人が効能の高さを元に番付が作成されました。

江戸時代当時は横綱という位がなかったため、東の最高位は大関で「草津温泉」が番付されています。その他を見ても今も健在な有名な温泉地ばかりが番付されているのが分かります。

 

肩こり改善に着目すべきは2つの「泉質」

先人たちの時代には効能は分かっていても、もちろん泉質というのは設定されていなかったかもしれません。しかしながら、現代の温泉に行くと必ず、源泉が法律で定められている条件を満たしているかを「温泉成分分析表」に記載しています。

その中に泉質がちゃんと調査・設定されているので、肩こりにもっとも効果のある泉質をチェックしていきましょう。

泉質は10種類に分類されています。
①単純温泉 ②二酸化炭素泉 ③炭酸水素塩泉 ④塩化物泉 ⑤含よう素泉
⑥硫酸塩泉 ⑦含鉄泉 ⑧硫黄泉 ⑨酸性泉 ⑩放射能泉

この中で、肩こりに効くと言われているのが「①単純温泉」と「④塩化物泉」の2つです!

温泉番付からみてみると、単純温泉は関脇の「野州 那須の湯(現:栃木県 那須温泉)」、塩化物泉は前頭の「豆州 湯河原の湯(現:神奈川県 湯河原温泉)」が泉質ごとの最高位に番付されています。

泉質表

それぞれの温泉地に関連した歴史と泉質を詳しく調べてみましたのでご紹介します。

 

肩こりに効く「単純温泉」が湧く!関脇「野州 那須の湯」の歴史

現在の栃木県那須塩原市に位置する那須温泉は、630年に板室、三斗小屋、大丸、北、弁天、高雄と次々に温泉が発見され、これを那須七湯と呼ばれていました。現在では交通手段や設備環境によって、那須温泉、三斗小屋温泉、大丸温泉、北温泉、弁天温泉、高雄温泉、八幡温泉、新那須温泉を那須八湯と呼ばれています。

出典:http://www.nasuonsen.com/history/

 

なぜ単純温泉が肩こりに効くのか

那須温泉の泉質である単純温泉は、単純温泉とアルカリ性単純温泉の2つが単純温泉とされています。
・単純温泉:含有している成分の濃度が薄く刺激が少ないので、身体に優しい温泉です。
・アルカリ性単純温泉:単純温泉と同じく、含有している成分の濃度が低く、pH値8.5以上あるので、肌の角質を取ってくれる美肌効果がある温泉です。

*なぜ肩こりに効くのか*
単純温泉は温泉による刺激が少ないことから、安心してゆっくり入れるとされています。そのため、肩こりの原因に多い血行不良を身体の芯から温まることで改善でき、肩こりに効く温泉と言われています。

肩こりのなかったと言われている先人たちが選んだ関脇 那須温泉には肩こりの他に筋肉痛緩和の効果もあったため、日々の疲れを癒しに湯治をしていたことでしょう。

 

「塩化物泉」が湧く!前頭「豆州 湯河原の湯」の歴史

現在の神奈川県足柄下郡湯河原町に位置する温泉で、日本には数多くの温泉がありますが、奈良時代に作られた万葉集に詠われた唯一の温泉です。

「足柄の 土肥の河内に 出づる湯の 世にもたようらに 子ろが言はなくに」

意味は、二人は足柄の土肥に湧く温泉のように絶えるなんてことはない、とあの娘は言うのだけれども…。と解釈されており、湯河原温泉のように熱い源泉が絶えることなく長く湧いていることを二人の関係に例えるとは、現代人が聞いてもお洒落な言い回しだなとつくづく思います。

 

なぜ塩化物泉が肩こりに効くのか

湯河原温泉の泉質である塩化物泉は、海水の成分に似た食塩を含んでいる無色透明のお湯で、海の近くにある温泉に多く見られる泉質です。

*なぜ肩こりに効くのか*
塩化物泉は入浴すると塩分が皮膚について汗の蒸発を防いでくれるので、よく温まり湯冷めしにくいことから「熱の湯」と呼ばれています。
単純温泉とは違い、長時間入らなくても、高い保温効果が得られることにより、肩こりに効く温泉と言われています。

江戸時代の方も湯河原温泉の効能と歌に惹かれて足を運んだ方もいたのではないでしょうか。

肩こりに効く現代の宿はこちら

2つの温泉地から現代で湯治をするとしたら、ENYSiトラベル研究員が厳選した肩こりに効く宿をご紹介します!

●肩こりに効く厳選宿①(単純温泉)

那須温泉 山楽(なすおんせん さんらく)

大正12年より続く老舗。湯守が毎日欠かすことなく湯船の湯を抜き、丁寧に湯船を磨いており、源泉かけ流しの単純温泉はクチコミからも肌の弱くてもゆっくりつかれたと満足の声が多数ある人気の宿。

 

●肩こりに効く厳選宿②(単純温泉)

板室温泉 大黒屋(いたむろおんせん だいこくや)

アルカリ性単純温泉にゆっくりつかって欲しいから、あえて40℃前後のぬるめに設定する徹底さ。
大黒屋は「保養とアートの宿」をコンセプトに毎月個展を開催したり、毎月5日にはもちつきを開催したりするなど泊まる以外の楽しみも盛りだくさんな宿。

 

●肩こりに効く厳選宿③(塩化物泉)

万葉の里 白雲荘(まんようのさと はくうんそう)

源泉かけ流しの露天風呂付客室があり、4年連続でミシュランガイドに掲載された宿。

 

●肩こりに効く厳選宿④(塩化物泉)

山翠楼 SANSUIROU(さんすいろう)

夜は満点の星空が望める天空露天風呂がある宿。
厳選した大豆を毎朝作る自家製湯葉が出てくる懐石料理が人気。

江戸時代の先人×ENYSiトラベル研究員が厳選した4つの温泉宿はいかがでしょうか?
露天や内風呂によって泉質が異なることもあるので、肩こりに効く泉質をしっかりチェックして、先人たちおすすめの温泉地でゆっくり療養してくださいね。

施設情報

ライター情報

ENYSiトラベル研究員

ENYSiトラベル研究員

北の大地が生んだ理系男子。レジャー業界でキャリアをスタートし、運営からイベント、WEBサイトの企画運用を担当していた。大抵の無茶ぶりには動じないM気質。

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2017.06.29