自由だからこそ。湯治場での過ごし方提案
2017年7月1日
湯治場(とうじば)で湯あみを
温泉で心身を癒す日本古来より続けられてきた伝統的な養生法のことを湯治(とうじ)といいます。
ある特定の疾病や傷の療養に活用された湯治を行う宿や場所のことを湯治場と呼び、現代では人が本来持つ自然治癒力を高め、精神的な満足を高めることにその湯治旅の本質があります。
現代では、人が本来持つ自然治癒力を高め、精神的な満足を高める、デトックスやリトリートの場所としても活用されるようになってきました。
いにしえより地から湧き出す湯に身を浸し自然と一体となる湯あみは、心身を再生し「あるがままの自分」に戻す儀式のようでもあります。
湯治宿でできる9のこと
思い思いに過ごせる湯治宿での滞在では、観光旅行と違った「暮らすような旅」をすることをお勧めします。日常のような、非日常のようなはざまに身を委ね、静かで落ち着いた時間を楽しむのはいかがでしょうか?
1. たまっていた本を持ち込んで読書をしてみる。
積んどく読んどくになっていた仕事ノウハウ本や、表紙に一目惚れして買っていた絵本、リュックにぽんっと入れっぱなしにしていた小説本や詩集。自然の音をBGMに、静かな環境でたまにはじっくり本を読むことに没頭してみては。
2. 自炊キッチンで地元野菜クッキングしてみる。
湯治宿では、泊食分離になっていることが多く、また自炊可能なキッチンが備え付けられているお宿もあります。自分のカラダが欲しているものに耳を澄ませて、自らちゃんとつくる、という当たり前にチャレンジしてみるのはいかがでしょうか?地元のスーパー等で調達した野菜でクッキングするのも楽しいですね。
3. 宿の温泉だけではなく、町に愛される公共浴場や外湯にも出かけてみる。
湯量が豊富な町では、町の住民たちのための公共浴場や外湯があります。お宿の温泉のみならず、こうした町に溶けこむ地元民のように公共浴場に入ってみるのもまた、楽しい過ごし方のひとつです。但し、地元の方々の為の施設にお邪魔させて頂いている、という感謝や遠慮の気持ちを忘れずに。
4. 近くの禅寺で精神統一をしてみる。
お宿の方に聞いたり、マップで調べて近くの禅寺を調べたりしてみましょう。座禅会をやっていたり、写経をやっていたり等、プログラムがあることがありますよ。もしプログラムがなくとも、静かなお堂で座禅を組み、精神統一をするのもまた、心が濯がれるようです。
5. 静かな朝、鳥の声でヨガをしてみる。
朝、鳥の声をBGMに、ヨガをしてみるのはいかがでしょうか?澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込んで身体のなかからきれいに。
6. 朝、早起きをしてみる。
普段は慌ただしく、会社や学校に行くために起きているのをリセットして、自分の為に起きてみませんか。朝の澄んだ空気を吸うために。いつも違う表情を見せる朝焼けをみるために。
7. 敢えてパソコンを開いてみる。
温泉と食、観光しない。そんな湯治宿では、実はリモートワークにぴったり。文豪気分でさくさく仕事を片づけたり、アイデアも浮かび企画書もすいすいはかどります。仕事に疲れたら温泉に浸かればまたリラックス。そんな幸せな時間はありません。
8. 敢えてパソコンを閉じてみる。
デジタルデバイスに自分を支配されていませんか?敢えてパソコンを閉じて、デジタルデトックスをしてみてください。その間は、お茶でも丁寧に淹れてみましょう。茶葉が開くあいだは、目を閉じて休息を。
9. 町を散歩してみる。
観光ではなく、散歩です。お財布ひとつ、カメラひとつ持ってのんびり、ぶらぶら・てくてくしてみてください。道端の小さなお花に気づいたり、温泉猫に出会ったり、空の雲がゆったりしていたり。そんなことに気づくのは何カ月ぶりでしょうか?
過ごし方はあなたしだい。あなたらしい過ごし方を見つけてみてくださいね。
あなたらしく過ごせる湯治宿
ライター情報
湯治女子 シヅカ
広告代理店を経て、地域創生コンサル会社に勤務。大好きなビールよりも、一人旅と温泉と湯治場を愛する。アラフォーに片足を突っ込んだころに幸せを見つけた元癒し欠乏症患者。保有資格は、温泉入浴指導員、温泉ソムリエ、温泉観光実践士。