片道4時間、交通費4万円をかけて「若鮎の気品」を食べに行く
2017年6月28日
気温と湿度も徐々に増し、梅雨が近づいてくる6月初旬。
日本一の清流と名高い「高津川」の恵みをうけた、絶品の初鮎が解禁になるのはご存知でしょうか?
島根県津和野にあり、アクセスが抜群によくないものの、”この時期の若鮎だけ”を食べにわざわざ足を運ぶ方も多い、「割烹 美加登家」をご紹介します。
僕は昨年訪れて、一生忘れないくらい感動したので、飛行機の交通費込みで全部で10万円くらいかかるけど、それでも訪れたいと思えるコースでした。
目次
- ・1ヶ月ごとに変わる鮮度抜群の鮎の味と秘密
- ・北大路魯山人に学ぶ鮎の食べ方
- ・噂の鮎コースをご紹介
- ・なんと、この鮎を仕出ししてくれるお宿がある!?
1ヶ月ごとに変わる鮮度抜群の鮎の味と秘密
なぜ美加登家さんの鮎がこんなにも他の鮎よりも美味しいのかをお店の方にお話を伺ったところ、この鮎が獲れる島根県津和野市の「高津川」は岩、苔、水に恵まれており、この清流で育った鮎だからこそ味も油のバランスも上品になるとのことでした。
また、天然の鮎は6月1日の解禁直後に獲れるものと、旬の終わり頃とでは脂の具合や味が異なるそうです。そのため、一部の熱狂的なファンの方は6月初旬と8月下旬で2回食べに来るのだとか。
高津川のイメージ(写真:http://www.kashinan.jp)
北大路魯山人に学ぶ鮎の食べ方
日本屈指の美食家である「北大路魯山人」も、鮎へのこだわりはひときわ強かったとのことです。
確かに、青空文庫に公開されている内容にも、鮎に関する記事がいくつか見られます。食にこだわりが強い方は是非読んで見てください。
また、僕の最近の食のバイブルである「魯山人味道」の中でも丁寧に紹介されていました。『若鮎の気品を食う』という言葉は至言です。
噂の鮎コースをご紹介
食べられる料理の内容は各種サイトにてご確認いただけますが、今回は僕が特に感動した料理を紹介します。完全にわざわざ行きたいと思いましたし、誰かを連れて行きたくなる体験の数々でした。日本酒と、さらにワインを準備していってペアリングをしながらコース料理をいただきました。
※ちなみにエアトリッパーは別に美食家ではないのでご留意ください。味覚も食レポも初心者です。
鮎の塩辛「苦うるか」
鮎コースの一品目。「鮎のうるか」って初めてまともに食べたんですが、美味しすぎて一品目から泣きそうでした。香りも上品で、日本酒が止まりませんでした。
鮎酒(お酒の中に焼いた鮎が1匹います)
もっとも感動したのがこの鮎酒でした。なんというか、焼きたての鮎をお酒に入れただけとおっしゃってましたが、旨味と香ばしさが極まってもはやこれは「スープ」でした。
鮎の味がすべてお酒に溶けてますね〜 なんて言いながら飲んでいたんですが、飲み終わった後に入っていた鮎を齧ったらなんの味も残っていなくて、ほんとうに全ての旨味がお酒に出きっていたことにまた感服しました。
〆の鮎ご飯
コースの〆にもかかわらず、ふんだんに鮎が入ったご飯が出てきました。
それまでに結構な数の鮎を食べたんですが、鮎ご飯もまあ美味しくて、最後まで全く飽きることなくおかわりまでいただきました。
なんと、この鮎を仕出ししてくれるお宿がある!?
6月の解禁を今か今かと待ちわびるファンも多く、なかなか予約が取れない可能性もありますが、美加登家さんはもともと旅館だったらしく、「仕出し」も一部しているとのことでした。
古都 津和野には町家一棟貸しで大人数で泊まれる宿もあります。
逸品の鮎を自由きままに堪能し、酔っ払ってそのまま寝てしまう夜も最高ではないでしょうか。
そして最後に耳寄り情報!
なんと、姉妹店が東京の呑みどころでお馴染みの新橋にもあるそうです、今年はそちらに訪れたいと思っています。
店舗情報
ライター情報
エアトリッパー[外部ライター]
「その時期、場所でしか出会えないものに出会う」旅をしています。ブログを見た皆さまがまるで旅をした気分になれる「エアトリップ」を体験できるように記事を書くことを心がけています。