- 宿坊に泊まる
- 国内旅行の宿泊先には、ホテルや旅館のほかに長い歴史をもつ宿があります。寺院や神社の境内で、参詣する人びとを迎える宿坊。寺院では仏壇の前で僧侶が唱える経典や声明(しょうみょう)が、神社では神職が神殿の前で唱える祝詞が響き渡り、荘厳な雰囲気に満ちます。深い森に囲まれている寺社もあり、その敷地は長らく聖地とされ、大切に引き継がれてきました。寺社近隣に流れている「よい気」に包まれ、ゆっくりと過ごすのもいいでしょう。日常から離れた異空間で、日本の歴史、伝統文化、自然の趣に触れてみましょう。
- 宿坊とは
- 宿坊とは寺院や神社に併設された宿泊施設であり、宿坊には日本の歴史と切り離すことのできない由緒があり、善光寺や高野山金剛三昧院(こんごうさんまいいん)など、千年を超える歴史を持つ宿坊もあります。宿坊は、日本の文化を見て、知ることのできる場所でもあります。歴史ある壁画や屏風絵、古美術品などの調度品、四季により移ろう日本庭園。本坊に備わる襖絵や客室に設(しつら)えられた屏風などの名匠が手がけた数々の美。宿泊しないと拝観できない貴重な文化財をもつ宿坊もあります。
- 宿坊で体験できること
- 寺社とその周辺には、長い歴史を経て先人たちに育まれた文化と知恵があります。本格的な精進料理を堪能したり、貴重な宝物や庭園をじっくり鑑賞することができます。寺社で御朱印をいただくのも参拝の思い出の一つとなるでしょう。宿坊によっては、さまざまな修行を体験することもできます。修行体験は、基本的に自由参加です。法話の拝聴、写経、坐禅などによる瞑想、滝行など、気軽なものから真剣に臨むものまで、多種多様な修行があります。自分の興味や目的に合わせて、何を体験するか計画してみましょう。